乾電池の掲示板


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No.2046投稿日時:2013/05/29(水) 21:02  <↑親記事:No.2044>
投稿者:RQ-SX50

昔(戦前)のマンガン電池は電池の自己放電が速く、製造後単1単2は1年、
単3は半年という期間で液漏れが起きていたようです。
水銀は負極となる亜鉛と混合させてアマルガム化していました。
混合といっても実際は表面に塗布させる形ですが。
※水銀0になる前の酸化銀電池、アルカリ電池も亜鉛に水銀を入れてアマルガム化していました。アマルガムについてはウィキあたりで確認してください。

アマルガム化することにより、亜鉛が溶け出していくスピードを抑えて、
自己放電の抑制と長寿命が得られました。
※1970年代前後のマンガンが液漏れしやすかった理由は他にもあり、
金属外装ではなく紙巻外装だったことやそもそも亜鉛の方がイオン化傾向が大きく、電池を使用するにつれ水素が発生し、電解液のNH4Clや減極剤のMnO2と
化学反応で水が発生したためです。黒マンガンはNH4Cl電解液をZnCl2に
置き換えることによって発生する水を放電に利用することで液漏れを
減らしていました。

なお水銀0化以降は各社独自技術&企業秘密である薬品を亜鉛缶成型時に
混ぜて水銀と同じような働きをさせています。させていますが実際は
水銀を使った時よりも自己放電のスピードは速いです(10年単位での話です)

補足ですが亜鉛缶はプレス成型時にクラックが起きやすいので(言い忘れてましたが1950年頃まではプレス成型ではなく、亜鉛板をハンダ付けしてました)
鉛も添加しています。この鉛を無くしたのが東芝のクリークです。

さらに補足ですが(話が脱線してすいません)、アルカリボタン電池や酸化銀電池がつい最近まで水銀を入れていたのは(あまり知られていませんが入っていました。最近水銀0をアピールしているのはそのせいです)、代替物質では
自己放電どころか短寿命になり水銀と置き換えができなかったためです。

以上長々とすいませんでした。一部記述はCQ出版の電池の本や高校の時の化学の教科書から抜粋しています。

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