ワイヤレスチャイムと、その応用


●ドドーンと8台
 ついつい、物欲に走ってしまいました(ウソ)。


 レストランなどで、店員を呼び出すボタンがありますが、あれは結構高いものです。
受信機だけで何十万円とか、送信機が数万円という具合で、小規模の店舗では
余裕がなくてなかなか手が出ない。何とかして安く実現できないか。

 そういえば以前ダ○ソーに、100円でワイヤードのピンポンが売っていて、1個
買った覚えがあります。これを8台並べたら・・・でも音が同じだし、何よりも配線の
引き回しが大変で、見た目も悪い。
 ちなみに近所のダ○ソーは、レジのところにそのピンポンの押しボタンがあって、
配線が延々と、野をこえ、山こえ、谷こえて〜♪たぶん事務所までつながっている
と思いますが、やっぱりワイヤードは見た目が悪いです。
 やはりワイヤレスでしょう。ファミレスで見かけるのはみんなそうです。

 最初は、市販のワイヤレスチャイムを使う事は思いつかなくて、自分で作ろうと
考えていました。ちょうどトラ技の2002年11月号に、マイクレル社の送信、受信
ICの記事があり、簡単な回路で無線データ通信ができそう、と思ったのです。
 実際に、評価基板が頒布されていたので1セット買って実験しましたが・・・・・・
あまりにも性能が悪くて使い物になりませんでした。

 その当時は、別の店にワイヤレスチャイムを入れる話がありました。ところが、
よく考えたら、店の運営上、店員が定期的に巡回しているのでワイヤレスチャイムは
不要じゃないかという話になったんですね。逆に、ワイヤレスチャイムを設置したら、
しょっちゅう呼ばれて、店員が少ないのにバタバタになりそうだと。
 それでいったんは、ボツになったんです。

 そして最近になり、新しい飲食店ができて、そこはテーブルがいくつもあるから
ワイヤレスチャイムが必要だと、相談がありました。
 開店には間に合わず、最初の数日は、用事のあるお客さんはテーブルを離れて、
店員を「スミマセーン、注文お願いしま〜す」と呼びに行かなければならない、という
不便がありました。

 一刻も早く安く作り上げるには、どうしたらよいか?

 大手メーカーの製品は高い。自分で作れば安い。しかし、自分で全て作り上げなく
てもいい。安い市販品の改造と組み合わせでどうにかなるんじゃないか。苦手な
無線部分はその市販品を利用すれば苦労しない。
 いろいろと考えをめぐらせ、ようやく、最適な答えにたどりつきました。

 そして今回、近所のホームセンターなどに置いてある何種類かのワイヤレス
チャイムを買い集めてきて、片っ端から評価し、この機種に決まったのです。

 (免責:私が実験した範囲でこれに決めたのであり、この機種を推奨するわけではあ
りません。改造は請け負いません。私はメーカーの関係者ではありません。広告を目的
としたものではありません)

 最初の写真の右上の1台だけパッケージが違いますが、機能や中身も微妙に違います。
本当は全部同じものを揃えたかったのですが、在庫が無かったんです。
 この1台だけは、ピンポ〜ン!だけじゃなくて、7曲の選択ができるようになっています。
つまり複数の送信機ごとに曲を違えて設定しておくと、どの送信機からの呼び出しなのか
わかるようになっている新製品でしょう。

 じつは他の7台も、基板のバージョンがそれぞれ違うので、機能的には同じでも、厳密には
違います。通信はできます。

 ところで、なぜ、この機種を選んだのか、その理由は次の通りです。

(1)チャンネルが増やせる
 チャンネルはA/B/Cの3種類切り替えになっていますが、実は内部を改造すれば
もっと増やす事ができます。そのために基板にはハンダジャンパーのパターンがあるので
す。(メーカー保証外)
 今回はチャンネルを8通りにしました。(後日記:最終的に、4ビットのデータで区別するよう
にしたから0〜15の16通りとなる。グループ、すなわち送信機と受信機の組み合わせを
A、B、Cにする。ABCで足りない場合は、ハンダジャンパーで設定する。)
 HOLTEK社のエンコーダ・デコーダが使われているのがポイントです(型名はHT12D
とかHT12Eなど。他社互換品が使われている事もある)。

(2)ある程度の防水が考慮されている
 ケースのフタにゴムパッキンが付いていたり、押しボタンの構造的に水分の侵入を
ある程度食い止めるような構造になっています。
 ←LEDにゴムリングが付いています。
 飲食店での使用では、しょうゆをこぼしたり、コップの水などをぶちまけたりする場面
がよくあることでしょう。

(3)けっこうよく飛ぶ
 あいまいな言い方ですが、電波は環境条件でも飛び方が異なりますので、いちがいに
何メートルとは言えません。一般には直線距離を言うようですが、飲食店では壁やドアが
ありますから、障害物も考慮する必要があります。
 実験では、鉄骨の建物の1階と2階では確実に到達しました。
 ちなみに説明書には、15mと書いてありました。
 金属製の壁などがあれば条件は悪くなると思います。

(4)安い
 2つの店を回って8セット揃えたのですが、安いほうの店では1セット¥1,200ぐらいで
した。
 (後日記:送信機のみの単品売りもありました。)

(5)取り付けやすい
 送信機には、壁面などへの取り付けのための台座が付属しているので、設置に便利
です。


 さて、実際の製作です。

 よく考えたら、受信機は1台で良いのです。ここでチャンネルと書いているのは、実は
アドレスで、個別のIDのようなものです。それと同時に4ビットのデータも送受可能です
から、チャンネルは固定にしておいて、それぞれの送信機から送られるデータを個別に
設定してやれば簡単です。

 しかし、1台だけ仕様が異なる物がありました。これにはHOLTEKのICが使われておら
ず、特殊なIC(電子オルゴールにありがちな、樹脂で固めてあるやつ)なのです。これは
簡単に改造ができません。チャンネルもA/B/C以外には設定できそうにありません。

 それで最初は、送信機と受信機のセットごとにチャンネルを変えて、送信8台に受信8台で
使うというあまりにも芸がないけど無難な構成にしようと思いました。送信Aに受信A、BにB、
CにC、DにD・・・GにG、HにHです。メロディ付きの1台だけは、改造できないので
スイッチで設定可能な、A/B/Cのいずれかになります。

 さあ、受信機8台をケースに組み込もうとしたら・・・・・・よく考えればバカバカしいです。
受信機8台でしょう。8台もです・・・そりゃあ、ないでしょう。近づけて並べたら、お互いに
干渉するかもしれません。いや、そういう問題じゃないんです。1対1の8セット、これも一つの
方法だけれど、完成度は低い。

 送信機のエンコーダICの、AD11〜8が空きピンなのですから、この4ビットで送信機を区別
すれば良いでしょう。そして厄介なメロディ付きは、私が個人的に所有している1台と交換
する事で送信機は8台とも同じ仕様になります。従って受信機は1個で済みます。
 AD11〜8は内部プルアップなので、0にしたいピンをGNDにジャンパー線でつないで
設定します。

 受信機のデコーダICは、AD11〜8が同様に空きピンですから、ここからマイコンに入力して
やればいいのです。

 なお、受信機基板の電源電圧は3.3Vとなっています。いっぽう、下記のメイン基板は5Vで
す。マイコンへの信号入力レベルは3.3Vとなりますが、問題ないようです。

 まあ、何やかんやとゴチャゴチャやって、途中を省略しますが(をいをい)、いろいろと
お目にかけましょう。

 受信機の基板です。このあと、配線をワイヤラッピングしました。1時間もかかりません。

 メインCPUはPIC16F877Aで、回路は見た通り、何ら複雑な部分はありません。
 LED駆動用のトランジスタアレイと、リセット回路と、押しボタンのプルアップの抵抗
アレイなどがのっかっているだけです。

 なんでPIC16F877Aを使うかといえば、単にピン数が多いから、というのがその
理由です。ピン数の少ないPIC16F84あたりを使っても、外部にシフトレジスタなどの
ICを追加すれば作れます。
 単純に作りたいから16F877Aを使いました。

 基板の右半分には、白い支柱(スタッド)が立っていますが、ここに受信の基板が
搭載されます。次に、その基板の写真を示します。

 もともと入っていたケースから基板のみを取り出し、電源、スピーカ、それと、
デコーダICからデータ4本、データ確定信号1本を引き出してコネクタを付けま
した。

 受信機のケース(正面)、そして右の写真は内部です。

 オムロンのバラ線用コネクタがあったので、活用してみました。
 右の写真で、ケース左側にへばりついているのは電源部です。その写真を次に
示します。

 ACアダプタのジャック、ヒューズ、ダイオードブリッジ、レギュレータ7805と電解
コンデンサの基板です。
 ACアダプタは同じジャックでも極性が異なるものがありますが、電圧に余裕があるなら
このようにダイオードブリッジを通せば、極性を意識する必要がありません。

 場合によってはブリッジを実装するスペースがないけど、逆接保護をしたいのなら
直列にダイオードを入れるか、あるいはヒューズのあとにダイオードを、マイナス側に
アノード、プラス側にカソードで接続しておいて、プラスマイナスを逆にしたらダイオード
の順方向に大電流が流れてヒューズが飛ぶ、という仕掛けも良いかもしれません。
但しヒューズのアンペアはダイオードの許容電流を考慮します。

 ついでに、受信機の基板の回路図を公開します。マネして作る人もいないでしょ
う。右側が切れていますが、ICSP用のコネクタなので、無くても問題ありません。

 以下、 プログラムを簡単に解説します。

 数ms〜数10msぐらいごとに(適当に)、以下の内容のメインルーチンが走るように
組みます。


;*** データ受信 ***
    MOVF  PA,W    ;前回PORTA状態を保存
    MOVWF PAOLD

    MOVF  PORTA,W ;PORTA読み込み
    ANDLW 1FH
    MOVWF PA

 PORTAには、受信機からのデータと、データ確定信号(VT)が入力されます。
 データ確定信号はPORTAのbit4です。受信時には、200msぐらいのHパルスが
入りますので、この立ち上がりを検出してデータを取り込みます。

 VTは、HOLTEKのICの出力ピンからそのまま取得すると、たまに数msの
パルスが出ますので、誤作動の原因になります。単純に立ち上がりを検出する
ようなソフトにしていると、誤作動します。ここの説明では、そうしていますけど(笑)。
 ソフトで、Hが連続する時間を計測して判定するか、あるいはハード的に対処する
には、VTの信号を抵抗・コンデンサでなまらせてからPICに入力するようにします。
 だいぶ下のほうに、もともとの受信機の回路図を掲載していますが、電子音
モジュールの入力にそのようなフィルタ回路が入っている事から、このピンから
VT信号をとれば良いでしょう。但し、PICの保護のためには、直接つなぐのではなく
抵抗(10Kオーム程度)を直列に通してつなぎます。

 そうそう、PORTAの読み込みでAND 1FHと書いていますが不要ですね。


    MOVF  PAOLD,W  ;VTの変化を検出
    XORWF PA,W
    ANDWF PA,W
    MOVWF PAOLD

 bit4を見るだけなのですが、あまりゴチャゴチャ考えないで、単純に処理します。
 前回のPORTA状態とXORをします。XORは、異なる場合に1でした。
 さらに今回のPORTA状態とのANDをすると、「前回と異なる、かつ、今回が1」と
いうことは「立ち上がり」になります。PAOLDのbit4が1になれば、立ち上がりです。


    BTFSS PAOLD,4
    GOTO  INT_31    ;データ無はINT_31へ

 立ち上がりでなければINT_31にジャンプします。


;*** LED点灯処理 ***
;1の時LEDのBIT0を点灯
;2の時LEDのBIT1を点灯
;3の時LEDのBIT2を点灯
;4の時LEDのBIT3を点灯
;5の時LEDのBIT4を点灯
;6の時LEDのBIT5を点灯
;7の時LEDのBIT6を点灯
;8の時LEDのBIT7を点灯

    MOVLW  01H
    SUBWF  RCVDAT,W
    BTFSS  STATUS,Z
    GOTO   INT_321
    BSF    PORTD,0
INT_321

 受信データが1ならPORTD(LED)のbit0をセット(点灯)せよ、という事です。
 2ならbit1を・・・3ならbit2を・・・・・・

 この調子で、単純に8パターン並べました。ちょっと頭を使ったほうがいいのかもしれ
ませんが、時間が無いので、安全かつ単純な方法としました。
 テーブルは、トラブルが起きると面倒なので極力使いません。

 (後日記)よく考えたらGOTOは不要
    MOVLW  01H
    SUBWF  RCVDAT,W
    BTFSC  STATUS,Z  ←BTFSCにすればGOTO不要
    BSF    PORTD,0



INT_31
;*** ボタン押下処理 ***
    MOVF  SW,W    ;前回PORTC状態を保存
    MOVWF SWOLD

    MOVF  PORTC,W ;PORTC読み込み
    XORLW 0FFH    ;処理しやすいように反転
    MOVWF SW

    MOVF  SWOLD,W ;押下検出(上がりエッジ)
    XORWF SW,W
    ANDWF SW,W
    MOVWF SWOLD

    MOVF  SWOLD,W ;全く押されていなかったらINT_399へ
    BTFSC STATUS,Z ;0ではない
    GOTO INT_399

 PORTCは各LEDに対応する押しボタンの入力です。プルアップされており、通常Hで
押すとLになります。すなわち負論理です。
 処理内容は、データ確定信号の立ち上がりの部分と似たようなものです。
 押されたボタンに対応するSWOLDのビットが1になるので、それによりLEDを消灯し
ます。

;押下されたボタンのLEDを消灯
    BTFSC  SWOLD,0  ;BIT 0
    BCF    PORTD,0
    BTFSC  SWOLD,1  ;BIT 1
    BCF    PORTD,1
    BTFSC  SWOLD,2  ;BIT 2
    BCF    PORTD,2
    BTFSC  SWOLD,3  ;BIT 3
    BCF    PORTD,3
    BTFSC  SWOLD,4  ;BIT 4
    BCF    PORTD,4
    BTFSC  SWOLD,5  ;BIT 5
    BCF    PORTD,5
    BTFSC  SWOLD,6  ;BIT 6
    BCF    PORTD,6
    BTFSC  SWOLD,7  ;BIT 7
    BCF    PORTD,7


 こんな簡単なプログラムですから、1時間で作れたわけです。
 いつもプログラムの「ひな形」を元にして作りますから、これでかなりの時間短縮です。
タイマー割り込みが数msごとに入る、確実に動くひな形を作っておいて利用します。


 この本番プログラムの前に、一番最初はハードウェアの動作確認プログラムを作って
走らせました。
 全てのLEDの指定ビットが点灯するかどうか、押しボタンはどうか、というテストです。

MAIN
    BSF PORTD,0
    CALL TM1S
    BSF PORTD,1
    CALL TM1S
    BSF PORTD,2
    CALL TM1S
    BSF PORTD,3
    CALL TM1S
    BSF PORTD,4
    CALL TM1S
    BSF PORTD,5
    CALL TM1S
    BSF PORTD,6
    CALL TM1S
    BSF PORTD,7
    CALL TM1S

    BCF PORTD,0
    CALL TM1S
    BCF PORTD,1
    CALL TM1S
    BCF PORTD,2
    CALL TM1S
    BCF PORTD,3
    CALL TM1S
    BCF PORTD,4
    CALL TM1S
    BCF PORTD,5
    CALL TM1S
    BCF PORTD,6
    CALL TM1S
    BCF PORTD,7
    CALL TM1S

    GOTO MAIN

 シフト命令とか何とかゴチャゴチャ考えないで、単純に、単純に、LEDが順番に点灯していく
ようにしました。ハードウェアのチェックのためのプログラムでミスをしてはいけません。単純に
します。1ビット分で2行ですが、これを単純にコピー、貼り付け、でビット番号だけ書き直しま
すからパッパッとできますね。
 TM1Sは1秒待ちのサブルーチンです。これならLEDの動きを目で見てわかります。

 スイッチの入力ポートをそのままLEDの出力ポートにコピーするだけのループのプログラムを
走らせておいて、それぞれのビットの対応が間違いないか見るとか、そういうテストプログラムに
よってハードウェアのチェックを行うと良いでしょう。


●現場
 設置現場の飲食店は、すでに開業しています。週末は忙しくなるので、仮設でもいいから
一刻も早く入れてくれと、再三の催促がきました。(^_^;)
 しかしプログラムは1行も書いていません。これは笑うしかありません。

 日付が変わるまで、発注者の監視付きで、製作をしていました(汗)

 それでとりあえず、買ってきたままの送信機8個と受信機3個で、グループをA、B、Cに分けて
仮設する事になりました。しかし受信機の音が同じですから、左、中、右、という具合に厨房に
設置して、どっちから鳴ったかによって、判断してもらうように責任者と話をつけました。
 トホホ・・・・・・(^_^;)

 現場の据え付けには、色々と考えたり調べて確認しなければならない事があります。
 受信機を壁に取り付けるのならば、どういう固定方法をとるのか。
 壁は木か石膏ボードか。穴を開けて良いのか。
 ノイズはどうか。電波の受信状態はどうか。
 ステンレス板で遮蔽されていないか。
 受信機が操作しやすい位置か、高さはどうか。
 据え付けに持っていく材料と工具は。L金具は、ネジは。
 設置しようとする場所は電源がとれるか。延長コードは必要か。
 水がかかったりしないか。
 ・・・あれこれ心配するよりも、現場に行って、見て、臨機応変に対応すれば良いので
す。


 設置当日になってもソフトは作っていませんでした。

 ゆうべは遅かったのに、今朝はなぜだかハイテンションです。バリバリ仕事がこなせそうな
気がします。なんか盛り上がってきました。高ぶってきました。ヒヒーン!!

 昼メシを食いながらパソコンに向かって、ダダダダッと突貫作業で1時間ぐらいで完成。
人間、極限まで追いつめられると、想像以上のパワーが出るもんです(笑)。


 完成しました。もう仮設じゃなくて本物の設置です。

 左: 各テーブルの送信機
 右: 厨房の近くの壁面に設置した受信機

 それぞれの送信機には、1〜8の数字が割り当てられています。お客さんがボタンを押すと
その数字が送信され、受信機の該当するランプが点灯します。右の写真は、テストで
1つおきに点灯した様子です。
 ランプは、押しボタンになっています。用件が完了したら店員がボタンを押して消灯させます。
 今、どこのテーブルのお客さんが待っているのか、ランプを見れば一目瞭然です。

 設置した後、夕方から開店したようですが、私は帰ってしまったのでわかりません。他の
仕事があるからです。夜8時まで仕事場にいましたが、何の連絡もないので問題は起きな
かったのでしょう。
 翌日、感想を聞いたら、「お客さんが注文しやすくなったので、その分、注文が増えて
売上が上がった」との事で、製作者としては嬉しい限りです。

 どこの店かは、ここに書けませんが、この装置があったら私の事を思い出してください。
そして私のおまんまのために、この店の売上に貢献してください。(^_^;)


 最初に書いたように「安く」という仕事ですから、この仕事の「儲け」は期待できません。
でもお金は儲けるんじゃなく、「稼ぐ」ものだと、私は考えが変わりつつあります。どうせ儲
けても、税金を搾取されます。お国(国税)に召し上げになるだけです。

 お金は、自分の生活に必要な分+少々を稼げば良い。
 お金は、自己研鑽のための必要経費として使おう。

 勉強に必要な書籍は、自腹を切って買うのです。勉強に関しては投資を惜しまない。
そうして身につけた知識は、たとえ税務署だろうと、ドロボーだろうと、絶対に奪われる事の
無い、自分の財産になります。 


●内部を見る
 買ったら一番最初に中を見ますね。いろいろ比べてみると興味深いでしょう。

(1)今回、採用した機種
 ・送信機の古いバージョン

 AS12EというICがありますが、これはHOLTEKのHT12Eと同等と考えて良い
と思います。ピンアサインは同じです。ほかのを分解してみたら、HOLTEKのICが入って
いましたので、同等品でしょう。
 右の写真でわかるように、ハンダジャンパーでチャンネルが設定できるようになっ
ています。もし利用する場合は、現在付いているスライドスイッチを取り外すのが無難で
しょう。
 押しボタンが素晴らしいですね。接点をセロハンテープでペタ、ですよ。涙が出てきますね。
でも、これをハンダ付けしたら、うまくやらないと接点がひっついてしまうかもしれません。
だから、あえてセロハンテープ固定なのかもしれません。(あくまでも想像)

 この基板のパターンを追いかけて、回路図を起こしてみました。まずは、どういう仕組みに
なっているのか、分解してよく勉強する事が大切です。これは製品の回路として、実際に
目の前で動いています。疑問があればオシロスコープをあてて波形を調べれば良いのです。
 (全体、縮小図)
 間違ってるかも?

 電源部の拡大

 電池のプラス側の入り口に入っているダイオードは、逆接続保護用です。この送信機に
使う電池は006P、あの四角いヤツです。逆でもホルダに入りそうな感じですから、
このような対策というか、「気配り」は大切ですね。

 そして、何やらトランジスタが組み合わさった回路になっていますが、送信ボタンを押した
瞬間の立ち上がりをガリッとさせない(?)為の時定数回路のような気がしますが、よく
調べていません。

 Q102は、TL901という訳の分からないトランジスタでした。NPNなのかPNPなのか
わかりません。googleで検索しても出てきません。とりあえず、海外製のトランジスタの
ピン配置は、向かって左からE、B、C(日本製はE、C、Bが一般的なのだが)と考えて、
基板から回路図を拾い出し、こういう回路だったらPNPだろう、と判断した結果です。
 なお、他の送信機を調べたら、S9015が実装されているものもありました。これはデー
タシートが有って、やはりPNP型だという事がわかりました。

 Q103(2SC9014)は、ツェナーダイオードZD101、抵抗820Ωとの組み合わせで
電圧レギュレータになっています。ツェナー電圧は、現物の表記がわからないので、
アノード〜カソード間の電圧を実測したら6Vでした。Q103のエミッタ電圧は、ベース電圧
より0.6Vぐらい低くなりますから、6−0.6=5.4Vぐらいになるハズです。

 ところで、海外製らしいワケのわからないトランジスタが使われています。2SC9014
と言っても日本製じゃなくて、何と!インド製とは驚きです。USHA社、ウシャシャ・・・??
インドと聞いただけで神秘的な、怪しげな雰囲気が漂ってきます。わざわざ回路図に
インド)と書き込んでいます。

 私は、最初に勤めた会社を辞める前に、インドに旅立つと言っていました。実際には行き
ませんでしたが、インド料理の専門店「ナーナック」でカレーを食ってみたり、Z80には
インド(IND)命令がある!と喜んでみたり?、「インドに行こう」という本を買ったりして、
気持ちだけは、俗世を捨ててどこか遠くに行っていました(笑)。

 エンコーダ部の拡大

 これはHOLTEKのHT12Eのデータシートを見れば、わかるでしょう。はんだジャンパー
のパターンが準備されているのが嬉しいですね。実際には使われていませんが、改造には
もってこいです。
 4ビットのデータを送ろうと思ったら、AD11〜AD8(13〜10ピン)が空いているので、
そのまま接続すれば良いのです。今回、送信機ごとに1から8まで割り振りましたが、単純に、
0にしたいピンだけGNDにつなげばよろしい。空きピンは1になります。

 送信部の拡大

 ちょっと自信ない・・・何度か見直したつもりだけど、間違っているかも??
 トリマと5pが直列になっている部分ですが、基板上では空中配線されています。さらに
それに6pが並列になっていますが、周波数を合わせこむのに苦労したのでしょうか。ここ
は、新しいバージョンでは全く違う構成になっています。トリマではなくコア入りのコイルです。
それは次の「送信機の新しいバージョン」の、基板写真を参照下さい。

 さて、この送信回路は、似たようなものがトラ技の1990年1月号440ページに載って
います。昔よく作った?1石のワイヤレスマイク並みの回路ですね。


 ・送信機の新しいバージョン

 エンコーダICではなく、小さい基板が立っています。それと、メロディの選択ボタンが
追加されています。これは簡単に改造できそうにありませんね。
 そこを頑張って明らかにするのが、解析なんですけどね(笑)。


 ・受信機の古いバージョン

 写真では、デコーダICがAS12Dですが、これもHOLTEKと同等品です。他の受信機には、
HOLTEKが使われているものがありました。
 立っている基板は、ピンポン音を出す部品です。
 アドレス設定のハンダジャンパーがあります。

 受信機ですが、私の手元に4つのバージョンが存在します。1番目は、上の写真の、抵抗が
後付されて改造されているもの、2番目は、アンテナ有りで、アンテナ入力直後にアンプ
回路があるもの、3番目は、アンテナ無しで、アンプ回路が無いものです。4番目は、7曲
メロディ付きで、大幅に変更されており1〜3番目のものとは通信できません。

 2番目と3番目は基板が共通で、部品の有無のみの違いです。次に示す回路図は、その
回路です。

 回路図(全体、縮小図)

 やはり、似たような回路がトラ技1990年1月号440ページに載っています。C−MOSの
インバータ4069を使っているのが特徴です。トラ技のほかの号にも、確かに載っていたと
思うのですが、探し出せずにいます。

 受信部

 ↑点線で囲んだ部分は、部品が実装されているバージョンと、未実装の
バージョンがあります。未実装のほうはアンテナ線がありません。
 インダクタのカラーコードは、普段まったく使わないのでわかりませんね。
どこかに読み方が書いてあったようなのだが・・・・・・。たぶん0.47μHと
思います。電子部品の通販で、0.47μHを注文してみて、どういうカラーコード
の物が届くか見ればわかるかもしれませんが、気の長い話ですな。たぶん、トラ
技のフレッシュマン特集か、TDKなどのインダクタのデータシートに、読み方が
載っているかもしれません。

 この受信回路は、超再生方式ですね。簡単な回路に見えますが、相当に
難しい理屈があるようです。トラ技でも読んで勉強しましょう。たとえば1990年
1月号の452〜453ページに詳しい説明があります。

 アンプ部

 増幅と、波形整形を行っています。
 各部分の波形を見てみれば、より理解が深まると思います。なーんて、
回路図に書き込んでいますね。
 他社のワイヤレスチャイムにも同様の回路が使われています。

 デコーダ&メロディ部



 ・受信機の新しいバージョン(メロディ付きの方)

 基板がスッキリしています。
 U2の立っている基板は、デコーダICと、電子オルゴールを合体したような部品です。
 アドレス設定のハンダジャンパーはありません。

 古いバージョン(左)と、新しいバージョン(右)のケース内部の違い

 古いほうは、ケース内側に黒いアンテナ線が張ってありますが、新しいほうにはそれがありま
せん。感度には関係ないのかなあ。試してみないとね。

 受信機のケース(左の写真)、送信機のケース(右の写真)
 それぞれ、左側が古いバージョン、右側が新しいバージョンです。

 受信機の新しい方には、音量調整のスイッチが追加されています。
 送信機の新しい方には、メロディ選択ボタンが追加されています。

 (後日記:最近では、どちらのケースも型が共通なのか、メロディでは無いタイプも、
設定ボタンの部分にヘコミがあったりします。)


(2)他の機種A
 100m飛ぶ、と書いてあったやつですが、電波法は大丈夫でしょうか(笑)。
このパワーは、電源が12Vなのがポイントかもしれません。
 チャンネル設定のスイッチは無く、最初から固定です。

 左が送信機、右が受信機です。


 送信機はよくできていて、屋外の壁に取り付ける事を想定して作られています。
ボタンは真ん中だけではなく、少し上に「隠しボタン」があって、音が違えてあり
ます。たとえば家族とか関係者だけ隠しボタンを押して区別する、という使い方
があるのでしょう。

 なお送信機の電池は、最近よく見かける、単5ぐらいのサイズで12Vのものです。
ちょっと特殊なのかなと思いましたが、意外にもそこらへんのホームセンターや
電器店で100円か200円ぐらいで売っています。

 送信機の内部です。

 SR5262という謎のICがありますが、これもHOLTEKと同等品と思います。
 右の写真で見た通り、ハンダジャンパーがあります。

 受信機の内部です。

 M3D−95というICも謎ですが、やはりHOLTEKと似たようなものでしょう。しかし
ピン数が少ないようです。ハンダジャンパーは有るのですが。


(3)他の機種B
 これはエンコーダ・デコーダICを使用していません。

 右の写真に「CODE B」とありますが、デジタルコードではなく、そのまんま
周波数でしょう。

 送信機の内部です。

 エンコーダICはありません。簡易ラジコン並みの回路です。
 この送信機を、次の(4)の受信機に10cmぐらい近づけて送信すると、反応する事が
あります。

 受信機の内部です。

 8ピンのICは音源でしょう。
 他にICらしい物はありません。


(4)他の機種C
 これは少し古い物です。
 でも(3)の機種に少し似ているような気がします。


 送信機の内部です。

 黄色いリード線は、自分で勝手に付けたものです(をいをい)。
 もっと飛ばないかなあって・・・付けなくてもかなり飛びますけどね。

 受信機の内部です。

 これも、4069を使ったアンプ&波形整形回路でしょうかね?






●応用
 マイコンと無線を組み合わせて、ラジコンとか、さまざまな制御に応用したいと思った事が
あるでしょう。
 しかし無線の送信や受信回路を自分で作るのは、なかなか大変です。応用製品よりも、
無線モジュールを作る事自体が目的になってしまうかもしれません。
 そこで、送信や受信のモジュールが色々と市販されています。安いのは1000円前後
から、高いのは・・・上限は無いかもしれませんが??

 じつは無線モジュールを使っても、無線でデータを送るというのは、有線とは違うノウ
ハウが必要です。簡単にいかないんです。
 マイコンのシリアルポートの送信信号を送信モジュールに入力、電波で飛ばして、受信
モジュールから出てきたシリアル信号を別のマイコンへ・・・単純につないでしまいますが
これがなかなか難しいんです。
 何がどう難しいかは、実験を重ねてみるとわかってきますが、とにかく素直に動いてくれ
ない事があるんです。
 まず、シリアルデータがそのまま電波に乗ってうまく伝わってくれるとは限りません。
エラーが出るので、なぜだろうと、送信側と受信側の波形をとって比べてみたら、幅が変化
していたり、ノイズが入っていたりしました。

 私は昔、身障者用のリモコン装置を開発していました。ところが、無線に関する知識が
乏しかったため、無線部分で、どえらい苦労をしました。それでもうまくいかなくて、無線に
関しては専門の人の手に委ねる事になってしまいました。
 うまくいく時と、うまくいかない時があって、相手が目に見えない電波だけに、何を
どうしたらいいやら、思った通りにいかない事が多かったし、いまだに手が出しにくい分野
です。
 だから、完成度の高い無線の送信・受信モジュールが欲しいんです。データの受け渡し
だけで済むような物が。しかも安いやつ。

 そこで、比較的簡単な制御だったら、ワイヤレスチャイムに使われているHOLTEKの
エンコーダ・デコーダICがオススメです。こいつを使えば、チャンネル(ID)で送信機と
受信機のグループ分けができて、4ビットのデータが確実に受け渡しできます。

 以前は、モトローラ(現在はONSEMIか?)のMC145026とMC145027のペアがおなじみ
でした。試作で何度か使った事があります。HOLTEKのICも機能的には同じような
ものです。

 なんで、こういうICを使う必要があるのか。じつは、よく理解していないんだけれども、
シリアルデータをそのまま送るんじゃなくて、変調をかけて送受信するから安定するん
だと思う。

複数台
混信
チャンネル
キャリア監視


(作成中)  (後日記:多忙につき挫折(笑))


●2号機
 1号機を見た人が、うちにも欲しいと連絡して来られたので、2号機を作る事になりま
した。見積は原価ギリギリです。
 4chで見積をしたのですが、あとで10chにしたいとの事でした。最初は4chで作ります。

 さて、受信機基板の改造。

 得体の知れないメーカーの電解コンデンサは気持ち悪いので、全て日本製の新品に
交換しました。送信機も同様に実施しました。

 そして10ピンのコネクタをフラットケーブルに圧着、片方の端を1本ずつバラして、受信機
基板の各ポイントにハンダ付けしました。


 最初は4chだけど、あとで10chに変更する可能性があるので、メイン基板は10ch対応で
作りました。基板だけなら、原価的にはほとんど差がありません。ソフトウェアも10chバージョ
ンに修正しました。

 高いのは照光式の押しボタンです。それと配線の手間がかかります。

 次の写真は、ラッピング前の基板です。

 1号機と比べると、抵抗とトランジスタアレイが増えています。
 50ピンコネクタの偶数列は1本を除き、全てGNDにつないであります。

 バラ線用のコネクタ圧着工具(左)と、バラ線を圧着した様子(右)

 バラ線用のコネクタと、工具はオムロン製のものです。松下や、日圧(JST)など
各社から出ています。オムロンのものは5000円前後だったと思います。

 コネクタの圧着は、ナイロンコネクタなどで経験があるように、専用の工具が
高価で手に入れにくいため、ラジペンでつぶして、ハンダ付けしてゴマカシてしま
いがちです。
 しかし断線しやすかったり、ハンダが端子の先端まで流れてしまうとささらなくな
るなど、問題があります。

 比較的、安価な工具で圧着できるコネクタは、たとえばフラットケーブル用のそれで
す。工具は万力でも良いが、安い工具が2000円ほどで売られています。
 今回のように、接続先がスイッチやらLEDやら電源基板やらでバラバラの場合は、
バラ線を使いたくなります。

 上の写真の工具は、位置決めを手動で注意深く行う必要があります。ちょっとでも
ズレると、隣との仕切をつぶしてしまったり、うまく圧着できません。まあ工具が安い
から我慢です。

 職場には、松下製のバラ線圧着機(これも手動)があるのですが、こちらのほうが
ずっと上等で、いったんセットしてしまえば、あとは電線を1本ずつ差し込むたびに
グリップを握るだけでガチャ、ガチャ、と次の端子に進みます。天にものぼるぐらいラクラク
ですが、相当に高価との事でした。

 コネクタから、ラッピング用のピンヘッダへの接続は、メッキ線などを使っても良いので
すが、私はマックエイトの製品を使っています。

 製品名は、「ショートバー・UBシリーズ」です。
 いくつかの長さがあるのですが、UB−1−1とUB−1−3あたりを揃えておけ
ば良いでしょう。上の写真で使っているのは、UB−1−3です。
 1パックに1000個も入っているので、一生モノです(笑)。

 但し、そのまま単純にハンダ付けはできません。こいつの穴がコネクタのピン
より大きい為、遊びがあります。ですから最初にハンダで仮止めをして、それから
ピンセットで位置を調整しながらまっすぐに、中央にします。

 そして、上の写真のコネクタは、ショートバーのハンダ付けだけで固定されている
わけですが、ハンダはもろいものです。強度的に不安がありますから、部品面で
コネクタのハウジングをホットボンド固定する事。

 さて、スピーカーの固定です。

 ケースに、音が出る穴をあけたら、スピーカーのフチに一周グルリと接着剤を塗布して
貼り付けます。さらにホットボンドを、補強の意味で一周盛り上げます。

 さらに、塩ビシートを絶縁のために貼り付けます。スピーカーのすぐ上が基板ですから
絶縁は大切です。
 ただ、そのまま両面テープで貼っても、塩ビシートは平らだから、押さえつけて貼っても
弾力でハガレてきそうです。できればスピーカーの形に合わせてやりたい。そこで、たぶん
ドライヤーでも良いと思うけれど、ヒートガン(熱収縮チューブの加熱に使用。ノズル先端
ではハンダが溶けるぐらいの熱風が出る)を使い、遠火でソーッと暖めて柔らかくして、
スピーカーの形に合わせてやりました。

 これで、万が一、スピーカーがはずれても基板と接触する心配はありません。写真には
出ていませんが、配線をスピーカーのそばで、コードステッカーにより固定したので、
スピーカーがはずれても、ブラブラする事はありません。

 次は、電源アダプタのジャック、それとレギュレータなどの電源回路です。

 このケース(SY−190A、タカチ)は、アルミパネルが取り外しできて、平板だから加工
しやすい。
 レギュレータの発熱がそれほどでもなければ、このように放熱板としても利用できる。


 メイン基板の配線も終わって、さあ火入れだ!!
 4つの送信機のボタンを順番に押していった。1、ピンポーン、おっ、ランプがついた。2、
・・・(略)・・・3まで問題ない。4は・・・・・・アレ?ピンポーンと鳴るけどランプが光らない。
なんで?

 ここで、奇妙な事を発見しました。PICの該当する信号ピンをあたると5V出ているのに、
基板上(ヘッダピン)をさわると0Vなのです。接続されているはずなのに。ハンダ付けを
チェックしても問題ありません。

 ふと古い記憶がよみがえりました。私が最初にいた怪社で、上司がこんな事を言っていま
した。
 「丸ピンソケットの接点が抜けているのが最後までわからなくて大変だった!!」

 まさか・・・・・・と思って調べたら・・・・・・


     ヤ
      ラ
       レ
        タ
         〜
          !!

 RSで買った安いソケットでした。メーカー名も書いてないようなシロモノなので、しょうが
ないですなあ。
 信頼性を高めるための丸ピンソケットなのに、ああ、なんてこったい。

 疲れたよ、私は。


●おしまい。
 2号機が完成しました。あとは設置、納品するだけです。

 この後、ランプの横に番号シールなどを貼りました。

 なんだか、スカスカに見えるのですが、あとで10chに改造すれば、それなりに
バランスがとれるでしょう。たぶん。

 内部をご覧にいれましょう。

 ケースの内壁に沿ってグルッと一周している黄色い線は、アンテナです。

 とにかく手作りなので、手間がかかりました。自分なりに丁寧に仕上げまし
たが、まだまだ美しくないですね。外から見えないから関係ないじゃんと言わ
れればそれまでなんだが。
 製作には2〜3日を要しました。

 壁へ取り付けるために、こんな具合に金具を取り付けました。ダ○ソーで
安く手に入るので重宝します。

 1パックに3個入っていたから、というのが3個使った理由(笑)。

 あっ、金具の取り付け方は、もうちょっと頭を使えば良かったナ。不要な
場合は、クルッと回してやれば外側に突き出さないようになるとか。

 なお金具が1個だけ付いている方が上ですが、もしヒモでつり下げたい場合は
こちらのフタを上下逆にすれば良いでしょう。つまり、金具2つの方が上になるよう
にするわけです。

 今回の現場も、ベニヤ壁への取り付けですが、今後は据え置き型もあるか
もしれません。その時は、パネル部分のみアルミになっているプラケースが市販
されているので、利用したいと思います。

 ところで製品の保証についてですが、低価格のため、基本的に保証期間は
ありません。故障時は、代替機の貸し出しだけです。これから、その代替機を
製作します。

 以上で、おしまいという事で・・・お疲れさまでございました。[END]

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