健闘!チラシブロッカー


■不要な押し付け

 セールス電話、スパムメール、そしてDMやチラシ、・・・・・・
 これら不要な押し付けには、ウンザリする。

 いちいちチラシに目を通すヒマはないから、そのままゴミ箱にポイ。
 余分なゴミが増えるし、集合の郵便受けの周辺が散らかって見苦しい。

 今までひとつも役に立つものはなかったと、自分は思う。
 とにかく、要らないのだ。
 ピザなんか食わなくても死なないのだ。

 要らないと思っていても、ドンドン投げ込まれるばかり。
 止まらないだろう、地球の資源を食い尽くすまでは。

 それなら、「要らない」という意思を示そうではないか。

 とにかく、最初から入れるな、ゴミが増えるから。それだけ言いたい。


■公開の経緯

 今年の1月頃に、掲示板で紹介したところ、くわしく紹介してほしいと要望が
あった。

 それと、1月はじめ頃から監視カメラで記録をしているが、まだ少ないながらも
実績データが得られたので、公開することにした。

 あまり、手の内は明かしたくなかったのだが、いま以上の物を作れば良いと
割り切った。


■しくみ

 いつ考えて取り付けたか忘れたが、たぶん4年ぐらい前だったと思う。
 とにかく、ドアポストに何らかの仕掛けをして、チラシの投入を阻止するのが
目標だった。

 うちは新聞を取っていないので、ドアポストをふさいでしまっても支障がないと
思った。最初は単純に、内側からガムテープを貼って、開かなくした。

 これでどうだ。フッフッフッ。
 我ながら完璧に思えた。

 ところが、ドアポストの内側がホコリっぽくて、テープが弱い。せっかくフタを
したのに、外から簡単に押し開けられて、チラシを突っ込まれてしまった!!
バリッ、て。

         クヤシ〜〜〜〜〜〜ッ!!!!

 ホコリを取ってやり直したと思うが、同時に欠点も見つかった。フタが全く開かないと、
電気料金のお知らせが入らない。
 アパートは、各戸の玄関ドア付近に電力量計が付いているから、ドアの前で検針して、
プリントした紙をドアポストに入れている。

 宅配便の不在票もそうだ、ドアポストに入らなかったら、ドアのスキマに差し込まれる。
たまたま風が強かったら、吹き飛ばされてそれっきりになる。

 実際、1ヶ月ぐらいの長期出張から帰った後、通路の隅の排水穴付近に、うちの
電気料金のお知らせがクシャクシャになってひっかかっていた。

 さあ、どうするか・・・・・・
 不要なチラシと、必要な物の区別をどうやるか・・・・・・

 一時期、こればっかりでアタマの中がいっぱいだった。

 デジカメを仕掛けよう、とも考えた。フタが開いたら、スイッチで検知して、チラシを
突っ込むヤツの写真を撮る。それを印刷して、ドアの前にWANTED!と書いて貼っておく。
(これじゃ、アンマリだろう。メチャクチャだ。)

 せめて、フラッシュが光ってビックリさせるぐらいでいいのではないか。それなら使い切り
カメラの部品が流用できる。

 あるいは、音声合成で「チラシおことわり!」と叫ぶようにするとか。

 とにかく、何らかの手段で意思表示をしたい。かつ、必要な物は入るようにしたい。
 何度か試行錯誤を繰り返したと思うが、結局、単純な結論にたどり着いた。

    1.フタが半開で止まるようにする。
    2.中央につっかい棒のような物を設ける。
    3.意思表示のメッセージが見えるようにする。

 次の、写真1に示すのが現在のチラシブロッカーの姿。

 パッと見せられてもワケがわからないかもしれないが、これは、ドアポストの室内側の
箱部分を、下からのぞきこんでいる。

【写真1】 チラシブロッカー


 しくみは単純で、中央に適当な板をガムテープで貼っただけ。
 少し、白い物が見えているが、これは意思表示のメッセージを書いたシール。

 適当な板というのは、確か、液晶プロジェクターを作った時のアクリル板の余り
だったと思う。

 外からフタを押すと、板につっかえて半分ぐらいしか開かない。

 チラシのような物(比較的大きいサイズの紙など)を入れようとすると、この板に
ひっかかって奥まで入らない。

 なんで入らないんだ、とフタを押して中をのぞくと、この板には「痛い」メッセージ
が書いてある。(痛い?)

 これを見たヤツは、チラシの投入をあきらめる、というわけ。


■戦いの記録

 完璧な物は存在しない。

 今まで何度か、チラシをつっこまれた事があった。微妙な加減でフタにはさんで、
ぶらさがっていたり、あるいは落ちていた。

 だが、勝った回数の方が多い。同じ階のほかの部屋を見ると、みんなチラシが
つっこまれているのに、うちだけ突っ込まれてない。ヤッター、勝利!!
 じつにいい気分である。

 この実績データを集める為?、今年1月から監視カメラも設置した。
 以前から、私が留守の間に誰が来ているのか、泥棒とか悪徳商法とか、不審者が
来ていないか、気になっていた。

 以前は表札に落書きされた事が何度かあった。消しても、また書かれるんだもんな。
あれは悪徳商法のセールス関係だったか、ここの家は簡単にドアを開けるとか、
居留守を使うとか、何時から何時まで不在とか在宅とか、そういう記号があったようだ。

 最近は見かけなくなったが、ひょっとして、見えないインクで書かれているのでは
ないかと気になっている。定期的に、ブラックライトを当てて調べた方が良いか?

 それから、夜遅くにやってきて、チャイムをしつこくピンポンピンポン鳴らしたり、
ドアをドンドン叩くヤツもいる。怪しいので相手にしていないが・・・。

 夜の10時半とか11時半にやってきて、私はドアを開けなかったのだが、隣の部屋
の人と話しているのが聞こえて、「水道局の方から来ました」とか。あやしい。
 水の検査をして浄水器を売りつけるヤツだろうな。

 監視カメラには、モーションディテクターといって、映像に変化があると自動的に録画
する機能を持つレコーダーをつないである。これにより、必要な時だけ録画をする。
 日没で外灯が点灯したり、深夜に消灯した時にも反応し録画してしまうのだが、
これは仕方ない。

 1月から、たくさんの映像データが蓄積されている。自分が出入りするのも録画
されているが、一日中、誰も来ない日があったり、そうかと思えばいろんな人が
行ったり来たりした日もあった。たいへん興味深い。

 映像を公開する事を考えたが、肖像権の問題とか、うちの保安上の理由もあって
当面、保留にしたいと思う。

 チラシブロッカーに気づいた時の表情は面白いのだが、電気料金の検針の
おばちゃんが、料金の紙がドアポストにうまく入らなくて、「メッセージ」を見て
口をとがらせて怒っているシーンもあった。

 おばちゃんゴメンね。ピザ屋を恨んでね・・・。(をいをい)

 なお、電気料金の紙は、半分折りにしてブロッカーに当たらないように突っ込まれた
事もあった。


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                重要
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 監視カメラの使い方は気を付けなければならない。
 防犯に役立つものだが、同時に、プライバシーにも配慮しなければならない。
 私は、住民のプライバシーを侵害するつもりはない。
 防犯と、防犯設備の研究を目的として自宅にカメラを設置したものである。


        〜〜〜 記録 〜〜〜

 主に、チラシブロッカーの効果を見るため、ドアポスト投げ込みに関する記録を
抽出した。
 それと参考までに、住民以外の訪問者(セールスと思われるものなど)についても
掲載した。

●2007年1月7日 監視カメラ、稼働開始

●1月9日
 13:28 メール便の配達。ドアポストに入れようとするが入らず、ビニール袋を
      取り出してドアにかけていた。
       基本的にドアポストに対しては大きめの封筒だから、いずれにしても
      (チラシブロッカーの有無にかかわらず)、ドアにかける事になっただろう。

●1月11日
 12:40 電気料金の検針。料金の紙をドアポストに入れようとしてしばらく
      悪戦苦闘。「メッセージ」を見たのか、口をとがらせて怒っていた。
      (階下の集合の郵便受けに入れられた)

●1月13日
 13:39 宅配便が来た。私はモニターで確認し、代金引換の現金を持って
      ドアを開けたところ、宅配便の方から「よくわかりましたね!」と言われた。
      今日、届くとわかっていたし、他に来客の予定もないから。
      モニターで見ていた事は言ってない。

●1月19日
 10:30 メール便の配達。やはりドアポストに入らない為、袋に入れてドアに
      ひっかけ。

●1月24日
 15:58 何者かがドアの前を通過した。手に書類挟みを持っていた。

●2月3日
 10:37 2人連れがドアの前を行ったり来たり。何かの調査の模様。

●2月7日
 11:52 電気料金の検針。やはりドアポストに入らない。あきらめて移動。

●2月8日
 12:14 女性が携帯をいじりながら、ドアの前を通過した。

 12:17 さっきの女性がうちのドアの前に立って、チャイムを押し、「こんにちは」と
       叫んでいる。何の用事だ。留守なのに。

       よく観察すると、チラチラと電力量計の方を見ているようだし、耳を
       澄ましているような姿勢で待っている。やっぱり電力量計の回転を見る
       だな。それと物音。

●2月9日
 16:41 メール便の配達。やはりドアポストに入らず、すぐに袋に入れてドアひっかけ。
      いつもはおばちゃんが配達に来るが、今日は珍しく男性の配達員。

●2月12日
 11:23 ピザ屋。久しぶりにチラシを入れられた!クヤシイ!! (負け!)

 15:04 自分が帰宅した。チラシが地面に落ちていたので拾った。同じ階のほかの部屋は
      みんなチラシが突っ込んであるので、うちの物と判断。
       チラシブロッカーのせいで、奥まで入らず、風で飛んだのだろう。

●2月14日
 10:45 男性2人連れがドアの前を通過。また戻ってきた。チャイムを押して待っていた。
       セールス?

●2月23日
 11:01 メール便の配達。最初からドアにひっかけ。

●2月25日
 15:09 オジサンがドアポストにチラシを入れようとしている。しばらく悪戦苦闘。
       あきらめて通過。(勝ち!)

●3月1日
 14:50 昨日とは別のオジサンがドアポストにチラシを入れようとしたが、入らなくて次の部屋へ。
       済んだあと再びうちのドアの前を通過。手にチラシの束を持っていた。
       (勝ち!)

●3月2日
 10:03 さらに、また別のオジサンがドアポストにチラシを入れようとしたが入らず通過。
       (勝ち!)

 11:13 不審な人物。手に書類挟みを持っている。以前にも見たことがある人物。
       チャイムを鳴らして待っていた。

 ※このところ3連勝である。ニヤリ。

●3月6日
 10:31 チラシのような物を持ったオジサンが、うちの前を通過したあと戻ってきて、
       ドアポストのフタを開いて中をのぞいていた。
       夜に帰宅した時には、同じ階の別の部屋にチラシがつっこまれていなかった
       ようなので、「勝ち」「負け」は不明。(微妙・・・)

●3月7日
 12:17 電気料金の検針。やはり、料金の紙を差し込むのに苦労していた。

●3月11日
 15:11 オバサン。選挙関係のチラシを、無理矢理つっこまれた!! (負け!)
       今日は風が強く、チラシが飛ばされて拾い集める一部始終も写っていた。

       私は在宅中で、ドアポストからゴソゴソ音がするので、コラッ、チラシ入れるな!!と
       どなってやろうと思ったが、相手の正体がわからなかったので対応せず。

       なお、このあとしばらくして私は近くのドラッグストアに出かけたが、その途中で、
       この映像にうつっていたオバサンが、途中の道路を歩いているのを見つけた。

       今回のチラシは、カラーのパンフレットのほか、A4判の印刷物2枚が含まれて
       いた。裏面が白いので、裏紙として再利用。トクした。

 16:16 ピザ屋。このとき、私は不在だった。
       しばらくして帰宅したら、うちだけチラシが入っていなかった。 (勝ち!)








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