2024/06/29(土)アナログテスター YX-361TRの類似品 CUSTOM CX-07 使用レビュー
SANWA YX-361TRのコピー品 DER-EEのDE-961TRnに酷似
秋月でも取り扱っているTAIWAN DER-EEのDE-961TRn*3というのがありこれは見るからにSANWAのYX-361TRと機能やレンジが酷似している。SANWAのコピー品だろう。しかしこのDE-961TRnはOUTPUT端子が省略されている。つまりこのテスターはDER-EEのDE-961TRnにOUTPUT端子を足し、メーターを安価なピボット式に変更したOEM専用品ではないかと。事実製品の作りもそして見ずらいレンジ切替パネルの印字の質感(青色と赤色の文字が本当に見づらい)がそっくりなのである。代表的な機能の違いを比べると以下になる。CX-07 | DE-961TRn | YX-361TR | |
---|---|---|---|
メータ構造 | ピボット | トートバンド | トートバンド |
OUTPUT端子 | あり | なし | あり |
ゼロセンター機能 | あり | あり | あり |
DC-V | 0.1/0.5/2.5/10/50/250/1000V(20kΩ/V) | ||
NULL | ±5/25V(40kΩ/V) | ||
AC-V | 10/50/250/1000V(9kΩ/V) | 2.5Vレンジあり | |
DC-A | 50μ/2.5m/25m/0.25A | ||
DC 10A | あり | あり | なし |
抵抗 | 2k/20k/200k/2M/20M | ||
導通チェック | ブザー | ブザー | LED(x1レンジ兼用) |
HFE測定端子 | あり | あり | なし |
アナログテスターの抵抗測定レンジの注意事項
抵抗測定レンジのスペックだけでは気づけない注意点がある。それは測定時に流れる電流である。抵抗レンジ | x1 | x10 | x100 | x1K | x10K |
---|---|---|---|---|---|
測定最大値(Ω) | 2k | 20K | 200k | 2M | 20M |
測定時に流れる最大電流 | 150mA | 15mA | 1.5mA | 150uA | 60uA |
解放電圧 | 3V | 9V |
しかし利点もあってスイッチやリレーの接点などを確認するときは接触が甘いかどうかをしっかりと確認する事が出来る。
アナログテスターの抵抗測定時の電流 150mA の意味
このテスターのパネルの抵抗測定時の中央値を見ると20Ωとなっている。使用する乾電池が2本で3Vなのでオームの法則から150mAとなる。±DCVゼロセンターメータ機能とは
±5Vまたは±25Vのレンジにすると、針が中央に移動する。一体どうやっているんだろうと思う。この状態で別のデジタルテスターで端子間の電圧を測定すると30mV程観測できる。又±5Vレンジではテストリードをショートすると僅かだが針が低いほうに振れる。つまり内部では乾電池でメータにオフセット電流を流している様だ。回路図がないかとネットを散策するとSH-83TRの回路図*4が見つかった。なるほどそういう仕組みだったのか。気になる点
- メータが安物(オーバーハングする)。長年HIOKIのテスターを使っている自分には耐えられない。
- 10Aレンジにヒューズは入っていない。テストリードを10Aレンジに刺してはダメ。
- HFE測定用の端子があるがEBC配列のみ。使わないけれど。
CX-07テスターのメータの振れ方の動画(右側が今回のCX-07)オーバーハングしてしまう。
ほぼ半世紀前のHIOKIのテスターはトートバンドだが素早い動きが現在でも健在。測定値が変動する場合はアナログテスターの方が便利だがオーバーハングしてしまっては・・・流石にMade in JapanのSANWAのテスターだと安定した指針の動き。
LINKS
CUSTOM CX-07SANWA SH-88TRカタログ(現在は廃番)
SANWA YX-361TR
DER-EE DE-961TRn
過去のHIOKI 3007の説明書 回路図付き
西澤電機 3007テスター
アナログメーター(電気指示計器)の方式(ピボット方式とトートバンド方式)について
SANWAのテスターは広くコピー品が出回った模様