2024/05/29(水)Aitendo K-7642B AMラジオキットの作成

今回は Aitendoさんから単四電池1本で動作!AMラジオキットが届いたので組み立てた記録。組み立てキットが届くとワクワクするね。
TA7642のオリジナルは1972年にイギリスのFerrantiが開発。これのコピーはMK484/TA7642として各メーカから発売された。ピン配置を変えたものがLMF501/LA1050である。この辺りはトランジスタ技術2014年8月号に特集記事がある。

キットの中身と回路図

回路構成はTA7642によるストレートラジオにトランジスタ1石を追加してマグネチックイヤホンを直接駆動する構成。乾電池は1本。MK484のデータシートに記載のサンプル回路そのままである。
aitendo ラジオキット K-7642B

検品

  • バーアンテナは 550uH
  • ポリバリコンは130pF+30pFの二連タイプ。基板のパターンも二連タイプに対応している
  • 樹脂スペーサとバリコンを基盤に止めるビスは入っていない。これは商品ページに記載されている注意事項と合致する。
  • その他のパーツは過不足なし。

不足している部品の準備

3.5φのイヤホンが無いため近所のセリアで購入。LCRメータで測定するとインピーダンス32Ω/ESR32Ωであり回路図の定数通りのイヤホンだった事は偶然。
セリアのラジオ用マグネチックイヤホン32Ω

組立結果と動作確認

ICとトランジスタは後から交換出来るようにシングル用の丸ピンICソケットを取り付けている。
電池を入れてイヤホンを耳に挿すと全域に渡って壮大に発信しまくっている。とりあえずアンテナ結線を逆にする事で収まったが、一部では発信してしまう。また基板上に[C3+C4]というレジストがあり此処のパターンは回路図には無いバリコンのANT側と並列にOSC側を接続する様だ。インダクタンスが少ないバーアンテナも使えそうな考慮だ。手元にあるジャンパーピンを取り付けた。
組み立てたK-7642B

改良ポイント

  1. この基板は片面基板だがベタパターンが施されている。しかしこのベタパターンは電気的に浮いている。電源のスライドスイッチの部分で半田ブリッジしてべたパターンをVCCに接続した。これでボディエフェクトの影響が和らいだ。しかしまだヒス気味。
  2. どうやらICから漏れている高周波成分が十分に取り切れていないようだ。TA7642の出力からGNDに対してもう一つ0.1uFを追加。これでもまだヒス気味だ。
  3. これは改良出来なかったがバーアンテナの下部にも銅箔パターンがある。ここは無い方が良いと思う。
K-7642Bの問題点

感想

TA7642ラジオ

ともかくブロードである。選局位置に関わらず666KHz(NHK第一),828KHz(NHK第二),1143KHz(KBS京都)の3局のどれかが聴こえてくる。強力なKBS京都以外は混信した状態。NHK第一にチューニングを合わせるとNHK第二が混信してくる。NHK第二からはいつも朝鮮語が聴こえてくるのは気のせいか。タップダウンに改造したい処だが基板パターン的に難しそうだ。キットの内容としてはプリント基板はゆったりと作られているので作り易いと思う。基板上に乾電池まで載っているのでケース無しでも取り回しが良いと思う。そして簡単に作れて音が鳴るけれど十分な性能とならないが憎めないヤツって感じ。このICを使ったラジオはネットで多く見つかるが皆このICで楽しんでいる様だ。
残念ながら実用性としては一石レフレックスラジオの方がよっぽど優秀。