2023/06/03(土)微弱領域でのシリコンダイオードの順方向電圧

一般的にシリコンダイオードの順方向電圧(Vf)は0.6Vで計算する。しかし微弱領域(1uA程度)であれば実際の順方向電圧は0.2V~0.3V等と非常に低い。ゲルマラジオの検波に使ったことがあるけれど、ゲルマダイオード1N60と比べても音量は下がるけれど使えない事は無い。実際TOSHIBAのデータシート(1SS337)には珍しく小電流領域までグラフが描かれている。一般的なデータシート(1S2076A)では微弱領域までグラフが描かれていないが、同様の傾向を示すだろう。
1SS137 If-Vf

上記の1SS137のグラフから読み取れるVf(順方向電圧)は以下の通り
25℃0℃
1mA0.550.6
100uA0.450.52
10uA0.350.42
1uA0.220.3

実際は電流が流れないバイアス回路

以下の回路定数ではトランジスタは(常温では)ONしない。一般的には、(ショットキーではない)シリコンダイオードが2本直列に入っているのでトランジスタはONするように見えるが、バイアス電流が非常に少ない為にシリコンダイオード2本ではトランジスタがONするだけの電圧が得られない。実際に組んで見るとLEDに電流が流れず、ダイオードを取り除くとトランジスタに電流が流れてLEDが点灯した。
急冷剤をトランジスタとダイオードに向けて噴きかけるとLEDが点灯する事が認められた。どうやら室温でトランジスタがONするギリギリの状態の様子
電流が流れないバイアス回路