2023/04/25(火)デジタルテスターの内部抵抗

私が持っているテスターはもう何十年も前に購入した物ばかりだが、HIOKIのアナログテスター以外は一般に出回っている安価なデジタルテスターが2台。これで十分に事足りている。今回とある事でテスターの内部抵抗の影響があったので試しに測定してみた。
以下の表は、乾電池2本(3V)とテスターの間に抵抗を挟んで電圧測定した物。M-830Bだと結構ドロップしている事にビックリ。アナログテスターと違って内部抵抗が十分に高いと思い込んでいて今まで意識していなかった。
CDM-03M-830B
03.053.03
220k2.992.49
1M2.801.53
2.2M2.520.92
トランジスタ回路の固定バイアスだと2.2Mとかありうるので測定誤差が結構出る事が判った。ポケットテスターの方が一桁内部抵抗が高い。デジタルテスター選定のポイントは直流レンジと交流レンジが分かれている事が大事。

テスターの写真

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カタログ記載の値:左:内部抵抗12MΩ・右:内部抵抗1MΩ

2022/03/07(月)乾電池チェッカー BT-168D

乾電池チェッカー

100円ショップ物から一応メーカ物まで多数あるが、AmazonでBT-168Dなるバッテリーテスターを購入。

デジタル表示なのに内蔵電池不要という代物。非常に安いので購入して評価してみた。

測定端子は2か所あり、上部に9V用、スライド部分は通常の乾電池1.5V用。こいつは凄いぞ、9V用の端子からはレギュレータで給電するが、1.5V用の端子からはDC-DCでステップアップして内部電源としている。

電池に流れる電流は9V側で約7mA、1.5V側で約6mAと良く出来ている。しかし驚くべきは9V端子で測定中に1.5V用端子をショートしても正常に測定出来る事。

何がしたいかと言うと、このテスターは低消費電力が故に1.5Vの良く使う単三乾電池等の測定にはもう少し電流を流した状態で測定したいのである。

そこで改造して抵抗を並列に接続しようと考えている。しかし単純に並列に抵抗を入れてしまうと9V電池測定時には電流が流れすぎて都合が悪い。

しかしこのテスターは9V端子と1.5V端子で個別に測定している様なので、簡単な改造で1.5V側だけ負荷を掛けて測定する、私の求める納得のいく乾電池チャッカーに仕上がるのではないかと。

*写真はAmazonから拝借

BT-168D

BT-168Dの改造(15オーム追加)

御覧の通り1.5V端子側に15オームを追加しました。抵抗への配線方法がポイントですね。抵抗を基板側に取り付けると誤差が大きくなります。あと赤いスライドするレール部分にグリスを塗布。

BT-168D 改造

2022/02/12(土)1石 電子びっくり箱とネオン管の点灯実験

電子びっくり箱

昔からある電子びっくり箱。トランジスタ用の小型トランスとトランジスタによるブロッキング発振で触るとビリビリするし、ネオン管を点灯させる事も出来る。欠点は2つあって割りと消費電流が大きいのとネオン管の片側しか点灯しない事である。実際、2SC945では暫くするとトランジスタがオーバーヒートを起こして発振しなくなってしまう。この写真で点灯している側がマイナス側(負極)である。

電子びっくり箱

簡単にネオン管の両極を点灯させる方法

ブロッキング発振では電流をOFFにするタイミングのスパイク電流を使っているが、トランスの駆動インピーダンスを高くするとトランスの分布容量を使って擬似共振しているかの様に動作する。ネオン管の輝度は少し下がったが消費電流も下がり一石二鳥である。

ネオン管の両極を点灯させる方法

乾電池でネオン管を点灯させる回路

肝心の回路は驚くほど簡単でベース抵抗を220kΩと高くしただけ。出力波形を見ると上下に電圧が発生しているのが判る。半面、スパイク状の電圧が少なく、触ってもビリビリしないので電子ビックリ箱としての用途には不向き。

乾電池でネオン管を点灯させる回路

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2022/01/21(金)2SB54を使ったツインT発振回路

クリスタルイヤホンとゲルマニウムトランジスタ

少し前にクリスタルイヤホン(正しくはセラミックイヤホン)が出てきたので簡単な発振回路を作って見た。トランジスタは我が家のパーツボックスから出て来た古いトランジスタを流用。2SB54の動作確認も兼ねている。こういったパーツの日本製が入手出来なくなって久しいです。

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ツインT発振回路

当初2.2kΩの抵抗は3.9kΩだったが、ゲルマニウムトランランジスタでは発振しなかったので定数を変更した。しかし家にあるゲルマニウムトランジスタは古くて劣化している為か、選別しないと発振しない物もあった。しかし電圧を9Vに上げれば大抵のゲルマニウムトランジスタが発振した。

2021/11/06(土)簡単な中波帯の発振回路とトランジスタ毎の測定結果

トランジスタによる最小構成の中波帯発振回路

20211106_2.png

一番簡単と思われる発振回路をブレッドボードで作成。コルピッツ発振回路に必要なエミッタとグランド間のコンデンサを意図的に外してある。実際はトランジスタの持つCie(ベースとエミッタ間の寄生容量)を利用する。そこでトランジスタを変えてどんな測定結果が出るだろうと試してみた。

小信号向け国産汎用トランジスタの中波帯での傾向

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主観的に4つのグループに別けてみた。発振出力と発振周波数は反比例します。発振出力が大きいから良いトランジスタではなく、寧ろCieが大きい事を示しています。こういった特性はテスターの簡易HFE測定では判らない動特性を見て取ることが出来ます

  • 第①グループ NECの汎用トランジスタ2SC945
  • 第②グループ 東芝の汎用トランジスタ2SC1815
  • 第③グループ その他の汎用トランジスタ。同世代の2SC458や2SC828,2SC536は2SC372と同等の傾向が見られる。また中国から格安で購入した2SC945(No14)がオリジナルとは異なっている事も判った。測定結果だけを見ると2SC1815は2SC372を2SC945側に寄せていった改良品かもしれない
  • 第④グループ 高周波用途のトランジスタ。参考としてFairchildの2N3904(中国からの購入でない)も計測